バーに勤務し始めた頃私はバーに勤務するただそれだけで何か違う自分になれる様なそんな錯覚を抱き夜の世界に身を置きました。
勤務し、1年程した頃にカウンター人員が不足との事もありバーカウンターの中に入っての業務も多くなりました。
カウンターでの業務はホテルバーではある意味花形のポジションです。
お客さまとの会話を楽しみ華麗にカクテルを作り、ウイスキーの氷を削りそしてサーヴする
しかし、思っていた世界とは全く違い、目の前のお客様からの数々のお酒の質問の嵐にただたじろき、時には酔ったお客様から絡まれる始末
現実とのギャップに毎日落ち込んだ事を覚えています。
しかし休みの日はウイスキーを飲みに出かけたり、カクテル制作の練習、試験に向けての取組、連休があれば時には銀座の一流バーや大阪にカクテルを飲みに出掛けた事もありました。
おそらく本当の意味でお酒に夢中になっていたんだと思います。
その当時は興味があったので実際見てみたい、飲んでみたいと興味で勉強をしていましたが、今となってはその経験が価値です。
お客様との会話でのネタにもなります。
知っている事で心の余裕も生まれ会話が弾みます。
ありがたいことに、親しいくさせて頂いている顧客も出来ました。
経験は今すぐには結果とはなりませんが、3年、5年経った時に大きく花が咲きます。
継続してきた分だけ大きな花が咲きます。
未来の自分への投資を継続してきた人にだけ複利の力が働いてくれます。
自分一人の力では到達出来ない所まで連れていってくれます。
若い頃の経験はお金を出しても買えと言われますが私もそれは身を以て体験した一人です。
借金をしてでも経験は買ったほうがいい。
今となってはそう思います。
この土屋守さんの『シングルモルトウィスキー大全』はボロボロになる程毎日読みこんだ愛読書です。
古い本ですが棚にある多くの本は今でも手に取り読み返す最高の相棒となってくれています。